今までの英語教育は大間違いだった?〜現状と今後
<先に結論>
①受験英語は実用性がなく、かつ数年以内に急速に衰退すると見られている。
②ますますグローバル化する中、実用英語の需要はさらに伸びる。4技能英語ができないと活躍しづらい労働市場と社会になってきている。
これからの時代、いわゆる一般受験の英語ではなくTOEFL/IELTSなどの4技能実用英語を学ぶことをオススメするリーディング、リスニング、スピーキング、ライティングをバランスよく学ぶことである。
今の20代が信じて中高6年間で学んできた英語の多くは間違いだったと言える (T . T)/
これまでは世界基準の”English”ではなく”一般受験の英語”だった
これまでの日本の学校の英語教育の特徴
- 学習法が効率的とは言えない&教えている内容が役に立ちづらい
- 評価法が適切ではない
- 教えている先生・講師が英語をあまりできない
つまり、学校の英語教育のほとんどが適切、適格性を欠いていたと言える。
決して、英語ができない理由は生徒が真面目に英語を勉強しなかったからではない。一般受験で入学した東大生や慶應義塾生でも英語をできない学生がほとんどである。
(東大生は慶應義塾生でもTOEFL 80点には届かない一方、オランダの平均点は100前後で、しかも単語帳と文法の勉強をほとんどしない。)
日本の英語教育がどのくらい的外れだったのか、他の物事に喩えると・・・
- 欧州でプロサッカー選手を目指している生徒に、リフティング練習ばっかりさせてフリー・スタイルの試合に出させている
- プログラマーになりたいのにワープロでタイピングの練習をさせている
『そんな馬鹿な!』というような話だが、そういった英語教育が実際に続いてきた訳である。
高校生に学校の英語でどんなことしている?と聞くと返ってくる2大回答
- 単語帳テスト
- 文法テスト
単語帳と文法問題集中心の学習者は英語4技能力を高めるのであれば方向転換をオススメする。。
特に英単語の意味を日本語で書くことと、文章の中の文法の正解・間違いを選ぶことはあまり実用的でない。
そもそも、多くの英語と日本語の単語では意味の範囲やコンセプトが違うからである。
また、英単語・文法問題よりも先に大事なトレーニングはいっぱいある。
- リスニング、スピーキング、ライティングなどのリーディング以外の技能の練習
(特に実用英語ではリスニングとスピーキングの使用率が高い)- 日常会話、アカデミック、その他様々な状況に応じた英語
- 非常に細かい正確な文法よりも瞬発的な情報のインプット、アウトプットの力
- 発音やイントネーションなどの流暢さ
- 実際に使うことを想定して長い時間、英語を使う力 (1時間のリスニングなど)
リーディングさえ、実はまともにできていない状況にある
今さらだが、日本人は他国の非英語圏の人たちに比べて、圧倒的にリスニング・スピーキング・ライティングができない。
さらに絶望的だが、他国と比較してReadingの点数でさえも日本人は他の技能並みに低いし、単語帳と文法問題をしている割には語彙力と文法の実践力も欧州の非英語圏の生徒の方が上である。
欧州の非英語圏の人たちはリスニング、スピーキング、ライティングも早い段階で学ぶ。英語のテレビ・ドラマ・映画を見る、小説を読むなど既に普段から英語を使用しているため、自然に習う英語量が違うからである。
重箱の隅をつつく単語・文法問題を出す大学の一般入試の英語
例えば、慶應義塾大学法学部の2017年の英語の問題である。
- beard-heard
- child-wild
- fight-sight
- rough-tough
- sleigh-weigh
同じような言葉の響き(リズム)にならない組み合わせ1つを選べ
この問題を解けることと、リスニング力やスピーキング力ができることはあまり関係ない(笑)
5つの英文の中から間違っている文章を1つ選べ
- Your order was taken by Karen
- Your order was placed by John
- Your order was paid for by someone else
- Your order was sent by express mail
- Your order was responded by e-mail
これからの4技能英語では重箱の隅をつつく問題よりも、小学校レベルのリスニング力の方がまず大事である。
<悲報>多くの学校の先生、塾・予備校の英語講師が英語をあまりできない
4技能英語である聞く、話す、書くの実演とそれらの勉強法を教えられる先生が本当に数少ない。(たぶん数%)
2016年度に約750万円の予算を組み、セミナーの受講費や受験料も負担した。一度で目標とする730点以上(英検準1級に相当)に達しなかった教員には2回目の「再試験」もあった。しかし、「合格」したのは対象者74人のうち16人。
ニュースサイトで読む: 中学英語教員、TOEIC「合格」わずか 疑問も、Copyright 毎日新聞
また、英語の専門家でありながら今までの英語教育に疑問の声を上げてこなかったどころか方々では英語の4技能変革は難しい。
今後の4技能の英語教育を変革し、引っ張っていくのは若い世代
そして、これを変革するのは我々、若い世代(現代の10代、20代、30代)であるべきだと筆者は思う。
(一応、筆者も若い)
ポイントは正しい知識を持った専門家ではなく、インフルエンサー(影響を持つ人)だと思う。
1番の良い例はバイリンガールやHapa 英会話など、若い人向けに実用英語を動画で伝えている人たちだ。
実用英語を学ぶための教材は豊富にある。
海外の人たちが出している良質な教材、英語資格の教材、それらから学んだ日本人の人から幾らでも安価に手に入れられる。
例えば、ディズニー映画を英語で見続けるだけでも、実用英語力は上がる。
また、格安で質の高いオンラインの英会話サービスもかなり充実してきている。
DMM英会話はSkypeを使って格安のオンライン・レッスンを受けられる英会話サービスである。通学型に比べるとかなり格安である上、講師のレベルもかなり高い。(25分の無料体験レッスンを2回受けられる) ちなみに筆者は今までに450回以上のレッスンを受けている。
Daily Newsなどの日々の生活と関連する題材を教材にして学ぶと良い。
今後の4技能英語教育の評価について
大学の英語試験でもTOEFL/IELTS/英検など外部団体の4技能英語の試験を導入しようとしている。
大学入試の新共通テスト、英語にTOEFL活用も
中教審答申案 (日本経済新聞)
また既に、慶應義塾大学、早稲田大学、上智大学、さらにGMARCHの一部の学部の入試ではTOEFLやIELTSの英語資格を持っていることが最低限の必須要件である。
外部の英語試験の導入自体は正しいし、評価できる
4技能の英語資格を導入することはこのグローバル化の中、避けられないし、自国の英語試験が役に立たない。
しかし、問題はその英語資格のために教育できる英語教員の数が圧倒的に足りないことである。
このままでは都心と田舎、富裕層と庶民の間で深刻な英語の教育格差が起きる。(1990年代に4技能教育を導入したポーランドではその傾向が非常に強く、日本も同じ道を歩みつつある。)
特に地方の生徒の英語教育のために何らかの措置が施すべきだろう。
Discussion
New Comments
No comments yet. Be the first one!