ITエンジニアの人が英語をデキるようになる勉強法①:計画と戦略編

2017/05/25

ITエンジニア・プログラマー系の業界にいる人たちに、仕事で英語を使えるレベルになるための現実的な英語力アップの勉強方法や計画を提案したい。


まず、私の英語力について分かりやすく説明すると、

  • カナダの大学院を優秀な成績で卒業
  • 英検1級保持 (リーディング満点)
  • TOEICはレベルが易しすぎて受験しない

ただ、初期条件は皆さんと変わらなかった。日本の高校で普通の役に立たない英語の教育を受けて卒業しており、日本の大学で自分の専門科目の片手間に英語を学んできた。

現在、データサイエンティストに必要なPythonのJupyter Notebook、趣味でBlockchainなどを勉強していて、情報が豊富にある英語で勉強できて本当によかったと毎日思っている。

またこの前、日本のデータサイエンティストのコミュニティに始めて参加した。会場の人たちが『英語ができれば良いな。けど勉強の方法が良く分からない』と話したりしているのを聞いた。

だから、プログラマーの人でも挫折せず、『使うこと』を重視した実用的な英語を、できるだけ素早く学べる学習方法を提案したいと思った。

IT・プログラマーの人たちが英語を使えるとどんなメリットがあるか

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色々な業界があるが、IT系は英語力の恩恵を受ける大きな産業の一つだろう。ITに加えて英語ができれば転職市場ではかなり有利になる。

  • 仕事で使用する
    (海外法人との電話会議、eメールなど、海外の安い業者にアウトソーシング)
    ちなみにこのwebsiteのSEOはFiverrのフリーランサーに委託している。
  • 英語でしか最新のIT知識を学べない
    インターネット上に占める英語の情報量は50%、日本語は5%と10倍の差がある
    例えば、Blockchains1つとっても、Youtubeにある英語日本語の情報の豊富さ、質の高さ、分かりやすさには雲泥の差があるのは一目瞭然だろう。
    他にもedXやCouseraで一流の大学の教授から最新のMachine Learningの知識を学んだりもできる。
    何か問題を解決したい時、ほとんどの問題の解決法は英語のウェブコンテンツに載ってある。
  • 海外の最新のITの動向を知る
    時代がどこに向かっているかはどの業界でも常に知っておく方が良い。下の動画はAngular 2とReactJsのどちらを選ぶかについてである。
  • 綺麗なコードを書きたい
    適切な変数名の設定、コメントなど、綺麗なコードは英語に強い人の方がやはり有利である。
  • 海外の友達・ビジネス仲間を増やしたい
    海外の人たちでITやプログラミングに強い人たちは多い。
    ちなみに当ブログの記事のアイディアの一部はノルウェーと中国人の友人からアドバイスを受けている。
  • 海外で働きたい
    アメリカ、カナダ、イギリス、オーストラリアなどの英語圏に加え、北欧圏と大幅に機会は広がる。
  • 給料が増える、待遇が良くなる

回帰分析で言うならば 所得=θ+θ1(IT技能)+θ2(英語力)+θ3(IT技能*英語力)+eとなり、相互作用係数であるθ3の値がとても大きい。IT技能*英語ができる人は多くないからである。

目標:1年間で英語を割と自信を持って使えるレベルになる

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高校時に一通りの単語と文法を学んでいることを想定する。

仮定法と聞いて、詳細は忘れていても『〜だったら』的な意味だったのがぼんやり出てくれば良い。

さて、そのようなレベル(英検2級前後)から、到達目標として

  • IT関係であればある程度専門的な会話を聞ける・話せる
  • ネイティブらしい感覚のコードを書ける
  • 日常会話は苦なく聞ける・話せる
  • 英語のemailは時間を少し書ければ処理できる
  • オフィス・ビジネス系の書類は読んで理解できる
  • TOEIC 800点 (ただし、重要ではない)

逆にまだ難しいことだが、幾分かの進捗度が見れるのは以下である

  • 専門的な講義は字幕がないと、細かいことは分からない
  • 言いたいことは十分に伝えられるが、日本人訛りの発音はある
  • 海外映画は字幕が無いと一部しか分からない

英語習得のコツ:英語自体「を」学ぶのではなく、英語「で」何かを学ぶ

『プログラミングはまずは習うより慣れろ実際にアプリを作りながら分からない部分は自分で調べていき、学んでいく方が早い』と同じである。

英語もプログラミングと同じである程度、一通りの構文を学んだら、実践をしていく。分からない部分があっても、その都度調べながら学んでいく態度が大事である。(プログラマーなら自学自習できるはず。)

中学・高校で英語を学んでいたならば、英語の教科書は使用せず、IT英語、ビジネス英語、日常会話英語など、自分にとって必要な分野を英語で学んでいく。

単語帳と文法書はしない

単語帳・文法書中心で学んだ日本の英語教育より、リスニング・スピーキング中心のオランダの英語教育の方が結果を出している。

単語・文法自体は英語の一部分でしかなく、実践的とはいえない。リーディング、リスニング、スピーキング、ライティングは論理把握、文脈把握、瞬発的な反応、音の処理などその他の複合的要素を含み、そういった実践的な要素の学習をして行く必要がある。

また、実際にリスニング、スピーキングなど、使用しながらの方が楽しくて、単なるお勉強よりも持続して続けられる。

学習時間の配分

以下の学習配分で学んでいくことをオススメする。社会人は中々時間は取れないが朝と夕方で45~60分ずつ、合計90~120分を確保してほしい。

  • リスニング 30~60分
  • リーディング 30分
  • スピーキング 30分
  • ライティング 0分

リスニング・スピーキングを中心にし、音のインプットアウトプットは全体的な英語力のアップに重要である。
(リーディングとライティングは文字のインプットとアウトプット)

ライティングはしばらく取り組まなくても大丈夫である。

リスニングで音感を入れ、スピーキングでアウトプット力を身につけ、リーディングで書き言葉を学べば、ライティング力は自然とついてくる。仕事で必要であれば、その部分のみ集中して学ぶと良い。

リスニングをスポーツに喩えるならばランニングくらい重要

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全てのスポーツにおいてランニングが基礎になっているのと同じようにリスニングは全ての言語習得の基礎になっている。

同時にスピーキングにも毎日取り組み、リスニングで学んだ発音・イントネーションと表現を実践に移すと効果的である。

また、リーディングを通して、パッセージの論理を正確に捉える力、文章構造の把握、語彙力を磨き、リスニングと相乗効果を得る。

教材は日常会話→ビジネス→専門講義と段階を踏む

まずは易しく・短めの日常会話の題材を通して、基本的な英語の表現を入れ直し、同時に学習の仕方も身につけて行く。

その後は、ノーマルスピードで、中くらいの長さの教材を使用して、ビジネス会話レベルの英語の対策をする。

最後の仕上げとして、より複雑で専門的な教材を使用し、専門基礎レベルの英語力を養成する。

日常会話の段階でオススメしたい教材 (2ヶ月~3ヶ月)

リスニング強化にEnglish Conversation Learn English Speaking English Subtitles LessonというYou Tubeの無料動画。少し遅めで簡単な会話のリスニングを通して基礎を身につける。(30分)


リスニングの学習方法はITエンジニアの人が英語をデキるようになる勉強法②:リスニング編を参考にしてほしい。

スピーキング強化にはトピック185題を使用し、一般的な会話トピックであればどれでも話せるように練習する。(30分)

writingtopics.pdf

スピーキングの取り組み方法についてはITエンジニアの人が英語をデキるようになる勉強法③:スピーキング編を参考にしてほしい。

さらにリーディング、リスニング、スピーキングの複合的な強化にDMM英会話を使用する。(30分)

Skypeを使ってオンラインでレッスンを受けられる英会話サービスである。通学型に比べるとかなり格安である上、講師のレベルもかなり高い。(25分の無料体験レッスンを2回受けられる) ちなみに筆者は今までに450回以上のレッスンを受けている。

スカイプでのレッスンの様子。赤丸は先生でネイティブ並みの英語力。先生にブログに公開する許可を得た。

会話、デイリーニュースなどの日常的な英語をレッスンの題材にすると良い。

ビジネスレベル習得の段階でオススメしたい教材 (4ヶ月~6ヶ月)

ビジネスレベルではノーマルスピードのリスニング教材、中レベルのリーディング教材などを使用する。

リーディング、リスニング強化にTOEICテスト公式問題集を使用する。(毎日1時間)

目標としてはリーディング 400点-450点以上、リスニング 400点-450点以上を目指す。ただ、本当に実用レベルで英語を使用することを目指すならば、あくまで通過点である。

TOEICは2016年に現行の試験形式となったが、それ以前の問題形式とあまり変わらない。そのため、新形式の公式問題集でも、急形式の公式問題集のどちらでも構わない。新公式 Vol 1Vol 2、旧形式 Vol 1Vol 2Vol 3Vol 4Vol 5Vol 6とあり、1冊に2回分のテストが収録されているので、16回分の練習を積める。

リーディングの勉強方法についてはITエンジニアの人が英語をデキるようになる勉強法④:リーディング編を参考にしてほしい。

そして、リスニング強化にFriends、または他のアメリカのドラマを使用する。(30分)

Friendsを選んだのは20代の一般会話がメインであり、特定の状況だけでに限られた探偵物・刑事物やその他専門的なドラマよりも使える英語の幅が広いからである。好きであれば、The O.C.、Gossip Girls、Mentalist、The X-Files、Kyle XY、Full Houseなどでも良い。

また、スピーキング強化に引き続きDMM英会話を使用する。(30分) この段階ではビジネスの題材を扱うと良いだろう。

専門基礎レベル習得の段階でオススメしたい教材 (3ヶ月~6ヶ月)

リーディング力だけであればStack OverflowQuestionsで自分の分野に関連のあるものを読むことは効果的である。

体系的にプログラミング系の専門用語を理解するには無料のCodecademyがやはり最適だろう。

既に2400万人以上が受講していて、HTML & CSSJavaScriptjQueryPHPPython and Rubyと色々学べる。

専門的だが比較的に易しいリスニングはYou TubeにあるIT系の人の動画を見ると良いだろう。

例えば、下の動画はビル・ゲイツ氏がif statementsについて子供用に分かりやすく、短く説明している。

ちなみにこの動画によると、彼が初めにプログラムしたゲームはTic-tac-toe、つまりマル消しゲームとのことである。

上級レベルの学習段階として、リーディング、リスニング、ライティングと包括的に技能を扱いながら専門科目を学べるCourseraedXなどを活用する。これらのMOOC (Massive Open Online Courses)では世界のトップ大学の一流の教授から現地の学生と同じ質の授業を無料または低価で学べる。非常に価値のあるオンライン講座の集まりである。

Python、Rubyなどのプログラミング言語各種、Data Science (Big Data, Machine Learningなど)、Block Chains、またもっと根本的な微分積分、代数、確率論、統計学なども学べる。

より一般的な教養レベルを英語で使えるためには、BBC DocumentaryBBC Planet Earthがオススメである。

自然系の単語を楽しく覚えるならPlanet Earthである。Planet Earthは全12エピソードで構成されている。海、平原、ジャングルなど、場所ごとに動物や自然が紹介される。(参考の映像はこちら。)

BBC Documentaryも色々なトピックが収録されていて良い勉強になる。例えば、自我の形成の過程、タイムマシン、貨幣、サウディアラビア、恐竜、人口爆発などのトピックについてである。

以上、IT・プログラマー系の人たちが英語を実用レベルで使えるようになるための現実的なプロセスである。

もし相談があれば無料カウンセリングをオススメする。プログラミングと同じでメンターがいる方が学びが早い。