TOEFL Speaking勉強法:解答を録音し、丁寧に聞き直す
本記事ではTOEFLのスピーキング学習法について説明する。基本的かつ重要なレコーディング勉強法を紹介する。
日本語で考えて英語にするなど英訳的な勉強はしない。(その方がかなり難しい。)あくまで、自然な英語を話せるように、最初から英語は英語として使おう。
自然な英語を意識しなくても使えるために、日常レベルでのリスニングをお勧めする。
Speaking勉強の基本
Speakingで目指すところ
『話す内容は何でも良いので、とにかくネイティブが十分に理解できる内容を話す』
『十分に』って何だという話になるが(笑)、意識としてはこれくらいが良い。ネイティブが推測などをしなくても聞いた内容をそのまま理解でき、かつ詳細に・具体的に話が広がっていくイメージである。本番で高度な英語を意識して使う必要はない。
そのためのSpeaking勉強の基本は
自分の回答を録音して、話の発展の仕方、発音とイントネーション、表現について何度も改善ことである。
この練習は地味なので大変だが、徐々に以前は話せなかった内容が話せるようになる。
基本的な練習の手順:
- 過去問のスピーキングの問題を見て、レコーダーで録音しながら解答する。
- レコーダーの自分の回答を再生し、採点・分析する。
特に①話の展開、②発音、③文法、④英語表現、⑤言い換えができているか確認する。- 同じ問題を何度も回答し、その度に録音と再生をして採点・分析をする。
準備運動として英語の歌を聞いて、何度も真似て歌い、発音・イントネーションを磨いておくと良い。スピーキングの問題毎にこの練習をすることで、スピーキング能力は着実に改善する。
(+日常が英語の環境にない人は自分の身の回りの状況を英語で状況する習慣を持つと良い。)
ただ、誤解してほしくないのが、綺麗でロジカルで例が満載な話の展開、難易度の高い英語表現、ネイティブのような発音・イントネーションを使わなければいけない訳では全くない。
あくまで英語を上手に話せるようになるためのトレーニングであり、TOEFLのSpeaking自体は『話す内容は何でも良いので、ネイティブが理解できるように内容を伝えれば良い。』
以下の説明は詳細なSpeaking学習方法である。
使用する教材
教材はETSの過去問とライティングのトピック185題を使う。
ちなみに185題の中から、スピーキング問題 1、2に似た問題は絞ることができる。(スピーキング問題1,2の攻略法を参照)また、携帯電話でも良いので、ボイスレコーダーを用意する。
また、DMM英会話を利用すると練習をしやすい。Skypeを使う格安の英会話サービスである。通学型に比べるとかなり格安である上、講師のレベルもかなり高い。(25分の無料体験レッスンを2回受けられる)
筆者は400回以上のレッスンを受けたクリスタルユーザーであり、著名なTOEFLの講師も使っているのを聞いたことがある。
会話、デイリーニュースなどを教材にすると良い。
Speaking勉強法: 5つのステップ!
以下の5つのステップを段階的に意識しながら、回答を録音して練習しよう。
Step 1. 3分以上、詳細に具体的に話を展開できる想像力を鍛える!
話の展開の仕方が上手い人は3分以上を簡単に話せる。逆に30秒以内に話が詰まるようであれば、英語の表現力の問題ではなく、話の展開の仕方に問題がある可能性が高い。
TOEFL スピーキング 勉強法にある以下の話が話を展開する力の重要性を物語っている。
自分では一生懸命に話したつもりだったのですが、時間の半分は、「アー」もしくは沈黙でした。しかも自分の部屋で録音したのに、周りに遠慮しているような小さな声。きっと本番はささやくような声でマイク向かってに話していたのだと思います。
話の展開の仕方のコツ ~逆から考える。〜
①自分の主張
②理由
③例・体験談という話の流れを仮定しよう。
お題が与えられた時、①からではなく③から始める。
つまり、お題を聞いて具体的な何か想像することから始める。
例えば、博物館の人気は年々増している?と聞かれたら、どうするか。
③から始めるとすると、例えば漫画の博物館を思い浮かべる。
- 過去のたくさんの漫画が読める。
- いろいろなジャンルの本が置いてある。
- 日本の漫画の歴史は60年ほど前から体系化し始めたが、初期の漫画が読める。
など、具体例が思い浮かぶだろう。
さらに、例を具体的にするためにありきたりな体験談をつける。
- 小学生の時に漫画の博物館に行った。
- いろいろな昔の漫画が置いてあり、逆に新鮮に感じた。
- 今は漫画がコメディー、アクションなどが主流だが、昔の漫画はシリアス、暗い内容が多かった。
③の後に②を考える。
具体的に想像したことを元に、より一般的な理由を考える。
- 新しい洞察を与える。(give an insight into ~)
- 今までにしたことのないことを体験できる。(See or even touch what I have never seen before.)
- 過去の歴史について学べる。
上記のような一般的な理由が思い浮かぶだろう。
②の後に①を作る。
- 私は博物館は年々人気になっていると思う。
一方で、①->②->③の順序で話を組み立てると②で詰まる場合が多いので、注意する必要がある。
始めのうちは分かりやすい英語を話せなくても、物語の発展性があれば良しとする。
日本語から初めても良い。
3種類の話の展開方法
⑴ もっとも人気なのは例を中心に話すこと。自分の主張-> 理由 -> 例と話を展開していく。
⑵ 対比を中心に話すこと。自分の主張 -> 一つ目の選択の良し悪し、二つ目の選択の良し悪しである。
⑶ 説明を中心に話すこと。自分の主張 -> 理由 -> 説明と話を展開していく。
できるだけ具体的で馴染みのある話を引き出すのがコツである。
また、もし自分が英語で学んだ専門科目があれば、その領域の話をするのは効果的である。
詳しくは効果的にトピックを展開していく方法を参考にしてほしい。
Step 2. 基本的な英語表現を調べ、使えるようにする。
話の発展が容易にできるようになれば、次はその内容を英語で言えるようにする。
また、自分の英語力の範囲で容易に言えるトピックを考えられるようになることがStep 1とするなら、本当に言いたいことを的確な英語表現を使って伝えられるようになることがStep 2である。
辞書やインターネットで単語を検索しよう。
例えば、《環境を破壊する 英語》をGoogleで検索する。
- cause environmental destruction
- cause environmental damage
など、色々と出てくるだろう。
また、そのお題についての典型的な回答と表現も調べる。
例題として、
Imagine that you have received some land to use as you wish. How would you use this land? Use specific details to explain your answer.
上記のお題の場合、
《how can you use idle land》とGoogleで検索する。
色々な関連記事が検索できて、それに載っている表現を使うことができる。
Step 3. 基本的な英語発音をできるようになる。
レコーダーに録音した回答を再生し、英語の発音を矯正しよう。
焦って間違いながら早口で回答するよりは、
ゆっくりで良いので、明瞭、聴き取りやすいように回答できるように心がける。
(もし、自分の英語が正しいか分からなければ、
歌詞付きの英語の歌を聞いて、何度も真似て歌い、発音・イントネーションを磨く、ことをお勧めする。)
特にR, V, THの発音に気をつけよう。
ただし、発音やイントネーションはネイティブのようである必要はない。
満点のSpeaking解答を私は聞いたことがある。京都大学の青谷正妥氏がTOEFL iBT満点を取ったことがあるらしい。
その解答では豊富な語彙や物語力がすごかった。一方で、発音はネイティブでないことを確認した。
他の受験者も行っているが、必ずしも発音やイントネーションんが完璧である必要はない。
Step 4. 基本的な文法表現を正確に使えるようになる。
複数形、時制、前置詞など、基本的な文法が間違っていないか確認しよう。
例えば、areやisなどのbe動詞、a, ~sなどの複数形を間違って使わないように、きっちり使い分けられるようにする。また、You know, likeなどの口語的な口癖を言い過ぎないように気をつける。
しかし、これは高いレベルで到達する必要はない。もともと、SpeakingはWritingに比べて、不正確な言語であるからである。
Step 5. 基本単語のParaphrase (言い換え)を覚える!
Speakingでは同じ・似た意味を言い換えた方が評価される。
例えば、”What did he say?”と聞かれた時、”He said that ~.”と答えるより、”He explained that ~.”と答える方が得点に繋がる。
よく使う一般的な単語は同義語や類語も使えるようになろう。
例1. “Say”の同義語や類義語
Say, tell, speak, indicate, show, report, claim, explain.
例2. “happy”の同義語や類義語
Glad, pleased, joyful, content, delightful.
同義語や類義語を調べる時は、例えば、《”英単語” synonym》とGoogleで検索する。
以上がSpeaking力を伸ばす5つのステップになる。
Speaking勉強方法のまとめ
- 自分の回答を録音して何度も復習・改善する
- ゆっくり話す代わりに、正確な発音、文法を使うように心がける。
- どんなトピックでも展開できるような想像力を磨く。
- 言えない・苦手な英語表現やトピックを調べて、言える[語れる]ようになる。
- 一般的によく使う言葉の言い換え表現を覚えておく。
『純ジャパの壁』現象とは?
TOEFL Speakingの点数が23点を超えられない受験者は多い。
世間では23点を超えられないことを『純ジャパの壁』と呼んでいる。
この壁で涙を飲んだ留学希望者は数知れないだろう。
(特に海外大学でTeaching AssistantになるためにSpeakingを25点など求められる大学院生は多い。)
23点を取るためには、6つのSpeaking問題で4点満点のうち平均3点を取る必要がある。
そして、24点以上を取るには、少なくとも1問は4点満点を取らなければならない。
筆者もSpeakingは長らく23点だったが、最近では26点を取った。(4点満点の回答2つ、3点の回答4つ。
Speakingは毎日取り組めばいつか流暢に話せるようになる。
ネイティブに近い分かりやすい英語の話し方、英語表現力、トピック発展力、言い換え力を身につけた時、必ず23点以上を取れる。
地道な練習だが、いつか報われることを信じて頑張ろう!