英語試験の解説① TOEFL iBT、IELTS、英検1級、ITP、TOEIC、受験英語の位置づけをサッカーに喩える

   2017/04/26

TOEFL iBT、IELTS、英検1級、ITP、TOEIC、受験英語の違い・位置づけをサッカーに喩えながら簡単に説明する。

TOEFL、IELTS、英検などの外部試験の活用が増えているが、これらの試験の特徴と位置関係をどのように捉えると良いか分からない読者向けである。

英語とサッカーは共通点が多く、今回は各種資格試験をサッカーに喩えて説明する。

TOEFL iBTはスペインのリーガ・エスパニョーラ

まずは世界で2005年からコンピューターで受ける4技能試験を導入したTOEFL iBTである。

TOEFL iBTはサッカーに喩えると、世界的に人気かつ競争が激しいスペインのリーガ・エスパニョーラと言える。一貫した試験の難しさ、質の高さに定評がある。

全体的な能力が高くないといけないリーガと同様、Reading、Listening、Speaking、Writingの4技能が試されるのがTOEFLである。

フィジカル(身体的強さ)よりもテクニック重視のリーガだが、日常英語というよりはアカデミック・キャンパスで使用するな英語を扱うのがTOEFLである。

Reading、Listening、Speaking、Writingで各30点満点の合計120満点である。

スコアの利用は日本と海外のほとんどの国・大学でできる。日本の企業では外資系以外ではあまり理解されない。

試験の問題は大学1年生の基礎専門科目で学ぶ題材が多い。

ReadingとListeningした内容の要約をSpeaking、Writingするという複合問題はTOEFLの大きな特徴であり、他の英語試験にはほとんど見られない。

実際の大学での状況ではListeningが一番多く使う技能であるので、Listeningが試験全体の57%に関わっているのも大きな特徴である。

試験会場では受験者はコンピューターで全ての問題を解く。Listeningのためのヘッドホン、Speakingのためのマイク、Writingのためのキーボードを使用する。

試験時間が4時間以上かかり耐久力も必要な試験ある。

Writingはコンピュータが言語的な特徴、人間が内容や意味を採点する。

月に3〜5回、年間で50-60回実施されているが、一回の試験料が230ドルと高い。

結果は試験日から10日で返却される。スコアは2年間有効である。

ETSのHPより

IELTSはイングランドのプレミアリーグ

IELTSを喩えるならばイングランドのプレミアリーグであり、リーガ・エスパニョーラと並ぶ最高峰の一つである。サッカーも英語もイングランドが発祥の地である。

フィジカルが強く、激しいプレーが多いのがプレミアリーグの特徴だが、900wordsほどの書籍、専門誌、雑誌、新聞のReadingを1時間で3passagesをすることや次々とディクテーションするListeningなど、英語力だけでなく処理能力・スピードが求められるのがIELTSの特徴である。

色々な国籍の選手が多いプレミアリーグだが、IELTSも日本では英検協会と提携して受験者を増やそうとするなど、外国での普及に熱心である。

Listening、Reading、Writing、Speakingの各モジュールのバンドスコアは0~9点であり、0.5点刻みでスコアがでる。

Overallのスコアは各モジュールのスコアの平均であり、中間点(例えば、4.25)は切り上げされるため、TOEFL iBTよりもスコアが出やすいと言われている。

イギリス、オーストラリア、ニュー・ジーランドの学生ビザやカナダの移民の際にはIELTSのスコアが必要である。TOEFLでは不可であるケースである。

全体的に日常生活やキャンパスの内容が多く、固いアカデミック講義の内容はあまりない。

Listeningは日常生活やキャンパス内での会話などが多く、書き取り問題などもある。各問題は2分ほどで、イギリス系英語で聞きにくいと言われるが、訛りは強くない。

Reading 新聞・雑誌の記事のようなトピックが多く、長文だけれども読みやすい。

Writingは人が全て採点しており採点が厳しいテストと言われている。Q1の要約問題の内容自体は易しめ、Q2のエッセイは固いお題で難しい。

Speakingは英検1級の面接とほとんど同じである。面接形式であり、日本人受験者は対応しやすいと言われている。講義の要約などはなく、自分の意見と面接官との議論が中心である。

受験や留学などで1つのベンチマークであるTOEFL 100点= IELTS 7.0だが、IELTS 7.0の方が取りやすいとされる。

試験料は25,380円、ほぼ毎週試験を実施している。

試験結果は筆記試験の13日後の16時以降に出る。スコアは2年間有効である。

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英検1級は日本のJ1リーグ

英検1級を喩えるならば日本のJ1リーグである。J1リーグは日本での人気に留まっていて、英検も日本国内での利用がほとんどである。文部科学省の後援を受けている。

速いパス回しが特徴の日本のサッカーだが、英検1級は語彙問題が非常に難しいのが特徴となっている。

欧州のサッカーリーグと比較してJ1リーグはレベルが易しいと見なされているが、TOEFL 90点、IELTS 6.5を保持していれば英検1級は取れると見なされている。

試験結果は日本の中学・高校・大学の入試や単位認定に広く活用されているが、日本国内の利用のみに留まる。海外大学出願・ビザ目的での利用はほとんど不可である。

リーディングでは説明文または評論文が出題され、純粋に英語学習の進捗度を測る意図が反映されている。

リスニング、ライティング、スピーキングはリーディング問題と比べると簡単と見なされる。

問題数・点数も語彙・Readingが全体に占める割合は大きかったが、2016年度からリーディング、リスニング、ライティングと技能ごとにスコアを均等に配分することになった。しかし、問題レベルは変わらないため、リスニング、ライティングが得意な受験者に有利に働く。(参考

試験結果は生涯有効である。

TOEFL ITPはリーガ・エスパニョーラの下位組織 (カンテラ)

TOEFL ITPは2006年くらいまで公式テストだったTOEFL PBTと同じ内容である。

Listening、Grammar、Readingのみであり、インプット量だけを試す問題である。また、文章はTOEFL iBTと同じアカデミックでありつつも1passage 300~400wordsと短い。

そのため、TOEFL iBTでまだ60点に届かない受験者用向けの前段階の試験・学習教材と位置づけられており、リーガ・エスパニョーラの下位組織 (カンテラ)と同じである。

TOEICはフットサル

TOEICを喩えるならばフットサルである。

サッカーは1チーム11人、競技時間は90分に対し、フットボールは1チーム5人、競技時間は40分、ピッチサイズはサッカーの半分以下である。(参考

一方、TOEFLやIELTSの4技能に対してTOEICはリーディングとリスニングの2技能試験であり、リスニングは45分間・100問、リーディングは75分間・100問と試験時間が2時間と短めである。また、各問題もTOEFL・IELTSに比べると短く、そして易しい。

フットサルには独自の戦略、難しさがあるといえ、サッカーからフットサルに転向は可能であり、その逆は容易ではないだろう。同じように、TOEFL・IELTSからTOEICの転向は容易だが、TOEICからTOEFL・IELTSは難しい。

スコアは5点から495点までの5点刻みで出るが、1問5点という訳ではなく偏差値法でスコアが出る。

多くの日本企業の就職活動で活用されており、一部の日本の学校でも利用が広がっている。外資系企業ではほとんど評価されない。

受験者の8割は日本人と韓国人である。日本人がETSに依頼して作成されたテストだからである。

2016年5月29日より実用的な出題形式に難化した。詳細

Speaking&Writing(200点満点)もあるがReading&Listeningの受験者の1%ほどしかいない。

試験は年間で10回実施され、1回5,725円である。試験結果は試験日から30日以内に出る。2年間有効である。

受験英語はフリースタイル・フットボール

フリースタイルフットボールとは、リフティングやドリブルなどのサッカーの技術を飛躍させて、魅せるものにした文化である。(Wikipedia

世界大会で日本代表が優勝したり、準優勝したりする年があるなど、こちらは日本人も強豪として活躍できている。

ボールコントロールという技術に特化したパフォーマンス競技であり、細かい動きにこだわる。ボールコントロールを磨くのでサッカーとある程度は繋がるが、戦術、スタミナ、チームワークなど他の要素もあるサッカーの実力を測ることは難しい。

受験英語も単語・文法・和訳・英訳・和文要約に特化した試験であり、主語・目的語単位で採点基準も細かい。普段から英語を使用する訳ではないので、受験英語を通して語彙力は実はあまり身についていない。

受験英語で学ぶ文法力は実用英語にある程度は役立つが、実用英語はListeningのインプットに加え、Speaking・Writingのアウトプット、瞬発力、複合性と他の要素が多くあるため、受験英語は実用的でないと言われる所以である。

ただし、近年は一般受験の英語でも実用的な英語の要素が取り入れられつつある。

慶應義塾大学の総合政策学部・環境情報学部の英語、早稲田大学国際教養学部の英語、国際基督教大学の英語などはTOEFL・IELTSのReadingに近い。秋田国際教養大学の英語の試験は基本的にTOEFL・IELTSのEssay Writingと同じである。

比較的に英語が難しいと言われる上記の国際系学部だが、単に難易度の問題でなく、高校生が実用英語を勉強していないという側面も大きいだろう。

以上、各種英語試験をサッカーに喩えて、特徴・位置づけを説明してみた。

各試験の特徴を数値化したTOEFL/IELTS/英検/ITP/TOEIC/受験英語を数値化する!も参考にして欲しい。

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