TOEFL Reading勉強法:単語帳は使わず4色の線を引く

2017/05/29

TOEFLのリーディング学習法について説明する。パッセージの要素を4つに分解する勉強法を紹介する。

ReadingはPassageに4色の線を引いて勉強すると良い

筆者はTOEFL iBTのReadingにおいて満点を取ったことがある。初受験は20点だったが、半年後には26点を取れた。

オススメの勉強法は単語帳は使わず、4色ペンを使いながらReading Passageを勉強することである。

具体的にはReadingを一回解いて、Passageを見直す時、

  1. 解答の根拠とする文章
  2. 分からない文章構造
  3. 分からない語彙
  4. アウトプットに使える表現 => WritingやSpeakingに活用

と、以上の4つに分類して線を引く。また、始めに解く時に全力で取り組み、分からない文章構造や語彙を推測する力を養うことも大事である。

ではなぜ、それだけでReading能力が付くのか、以下に述べる。

まずReadingで間違う原因を知る

そもそも問題を間違える原因は4つである。

① パッセージの文章が理解できない。(文章構造と語彙)
② 問題文が難解で理解できない。
③ 時間が足りない。
④ ①、②、③の上に、無作為に選択した答えが運悪く間違っている。

これらの間違いはどうすれば、克服できるのか。

まず、比較的短時間で取り組めるのは②でありパッセージから解答の根拠を探す力を磨く。

次に、①と③は推測力、文章構造把握力、語彙力を磨けば克服できる。推測力<文章構造把握力<語彙力の順に時間がかかるので推測力の改善から取り組む。

文章の推測力とは、重要な情報を選び出し、論理的に繋げることである。例え、分からない語彙や文法が出たとしても、普段から丁寧に読み解く練習をしていれば、分かる部分から推測できるようになる。

④は①、②、③を克服できれば、関係ない。

解答の根拠とする文章に線を引く作業の重要性

この作業をすることで、以下の特徴を見つけ、徐々に意識できるようにするからである。

  • 解答の根拠となる文章は必ず存在する。
  • ほぼ間違いなく、解答の根拠となる文章は一文である。(複数あるのは見たことがない。)
  • ほぼ間違いなく、解答の根拠となる文章は問題に関連する傍線部の前後付近にある。

これらは特徴は当たり前のようだが、明確に意識することで、解答の根拠を早く探せるようになるからである。

速読は意識する必要はなく、自然と時間内に読めるようになる

20分で700語前後の文章を読んで12~13問に答えるので、かなりの読解速度が必要であることは正しい。しかし、いわゆる速読の能力などは必要なく、早く正確な根拠探し、推測力、文章構造の処理能力、語彙力が高まれば速やかに読める。

筆者のReadingの点数がまだ20点前後(30点満点)のときは1passageを読んで問題を解くのに25分近くを要していた。しかし、それからETSの過去問とBarronsの問題集だけを3ヶ月毎日こなした結果、Readingの点数を6点以上上昇させ、20分で解けるようになった。また、満点を取れるようになった今では1passageを13分あれば解けるようになった。

つまり、小手先の試験テクニックなどは重要ではなく、根拠探しの能力と基本的な読解能力(語彙、文法処理速度、推測力)があれば高得点を取れる。試験テクニックだけで、正解を得られる問題ではない。

線を引いて学習することは効率的

  • 復習する時に分からなかった部分を見直しやすい。
  • 線を引くだけなので、単語帳を作る手間が省け、予習時間の短縮になる。

結果として、予習や復習で過度に手間がかからない方法は脳の負荷にならないので、継続的に取り組みやすい。

また、分からない単語の意味をPassage中に書かない方が良い。復習する時に意味が単語の横に書いてあるとそれに頼ってしまい、真剣に覚えようとしないからである。線を引いた単語や文法を忘れてしまった時は、再び調べるようにしよう。(ちなみに引く線は細いほうが、読み返しやすい。)

Reading学習の具体的な3つのステップ

  1. 20分以上をかけても良いので、全力で問題を解く。可能な限り全力で解くことで推測力を身につける。(約20分)
  2. 答えあわせをして、何を間違えたかを検討する。再度全体を読み直しながら、①解答の根拠とする文章②分からなかった文章構造、③分からなかった単語、④アウトプットに使える表現に線を引いておく。(それぞれ別の色のペンを使うと良い。復習の時に分からなかった部分を見直しやすくなる。そして、正解しても半信半疑で解答した問題は偶々正解しただけに過ぎないのでしっかり考察する。(20分)
  3. 線を引いた部分を中心に過去2回分(前日と前々日分)のパッセージを復習する。(20分)
    復習はとっても重要!

1-3のステップを休憩も入れて一回の練習とする。目安は60分だが、Readingで25点くらいを取れるようになるまでは90分~120分くらいかかるかもしれないし、それで良い。

これを毎日行う。この勉強方法なら、1つのパッセージを最低でも3回は読むことになる。1回目で新しい問題に出会い、2回目で覚える努力をし、3回目で記憶しているか確認する。

気の遠くなる作業だが、毎日必ず英語力は改善する。頑張ろう。

Reading勉強の教材

当然だが、やはり本試験通りの問題傾向、文章レベルである公式の過去問が一番、効果がある。

[おまけ1] Readingでタメになる語彙の学び方

1. 単語集の本を買わない、使わない。

●単語集の本は基本的に英単語と日本語の意味だけが載ってあり、コンセプトやニュアンスも含めて学ぶことできない。1つの英単語に対して1つの日本語を割り当てたとき、単語のコンセプトやニュアンスが一致していない場合が非常に多い。

●また、単語帳の単語が実際に試験で出てくるかは怪しい。

●文脈がないので覚えるきっかけがない。忘れやすい。

さらに、文章構造把握力や根拠探しの能力は実際の問題を解くことで磨かれる。よって、単語集は使わない。

“英語の鬼”村川久子が伝授するTOEFL対策”の”① TOEFL対策、まずはReadingから始めよう”も参照して欲しい

2. ETSの過去問や問題集で新しい単語に出会う。

●物事は頭で覚えるよりも、心で覚えるほうが、長期的に脳に定着しやすい。よって、文章を読んで、出てきたストーリーと共に単語を覚えたほうが、覚えやすい。

●先ほども述べたように1つ1つの単語に対してコンセプトやニュアンスを学ぶ必要がある。しかし、英英辞書の説明だけでは難しく、また億劫になるので、問題の文脈(=例文)をもって覚える方が意味や使い方も理解しやすい。

3. 最低3度は復習する。

ETSBarron’sにあるリーディングの問題を最低3度は読むことにしよう。新しく出てきた単語を何度も文脈と一緒に目にすることで定着しやすくなる。
これのみで、25点は取れるようになるだろう(筆者は現時点で29点を取れている。)

4. BBCのPlanet EarthやDocumentaryで単語を覚える。

これらの教材に出てくる単語はTOEFL iBTの試験に頻出する。そして、映像を見て単語を覚えるので、より心に残りやすい。従って、単語を覚えやすくなる。

[おまけ2] Reading問題を20分以内で解答できるようになる練習

20分のReading問題はかなりの量である。普通の読解速度ではおそらく時間切れになるだろう。どの程度の速さで読む必要があるのか確かめよう。

ETSの過去問のCD-ROMを有効活用

ETSの過去問に付属しているCD-ROMを有効活用しよう。CD-ROMでは実際の試験とほぼ同じの形式で過去問が出題される。試験慣れするのに非常に適している。以下のことに注意しながらCD-ROMで練習しよう。

ポインターを有効活用

TOEFL iBTのリーディングではコンピューターのスクリーンにある文章を読むことになる。この時、ただ目だけで追うのではなく、常にカーソルを目線に沿って動かすことが大切だ。

目だけで文章を追うと、スクリーンと自分の距離が遠いためどこを読んでいるのか分からなくなる。目の疲れが増えたり混乱が大きくなる。紙に書かれた文章を読んでいるときは、目だけで追えるが、スクリーン上ではかなり難しい。

1 question, 1 paragraph

全ての文章を読んでから問題を解くのではなく、問題毎に該当パラグラフを読む。

問題を解く前に全ての文章(passage)を読む必要は無い。基本的にReadingの問題はその問題の根拠となる段落(パラグラフ)があり、その段落を読むだけで解けるようになっている。これにより時間を大幅に削減することができる。

但し、該当段落を全て読まなくても解ける問題であったとしても、その段落は全て読んだ方が良い。理由としては、

  • 最後に出てくる要約やテーブル、チャート問題で、その段落にある説明の理解が必要になる。
  • その段落の説明や出てくる単語を理解することで、後の段落にある説明も理解しやすくなる。

休憩を効果的に取る

TOEFL iBTでは休息を取ることが非常に重要である。20分の問題文を3~4セット行うので、休憩しなければ集中力が切れる。ここで重要なのが、各20分または40分の問題のセットが終わって、次の問題のセットに行くまでに、休憩が取れることである。スクリーンが次の問題に移る前に、指示画面が現れる。実は、Nextのボタンをクリックしなければそのまましばらくはその指示画面のままになる。最大で2~3分ほどである。そのあとは、自動で次の問題に移行する。従って、この間は何もせずに頭の疲れを取ろう。

(おまけ3)他に参考になる知恵

特に

  • スコアアップの心得その4. 正解の根拠=不正解の根拠(消去法の強化)
  • スコアアップの心得その5. Right (Perfect) AnswerよりもBest Answer!

はこのブログで説明されていないが、役に立つ知識なのでお薦めである。