2017/05/257 Shares

正規・交換留学生の就職活動:経験者から5つのアドバイス [前編]

正規留学、1年間の交換留学、もしくはTOEFL/IELTSなどの英語を勉強した生徒向けにお勧めの就職活動について5つ紹介したい。

特に、正規留学と3年次に交換留学をした学生は大学3年生の冬にある日本での通常の就職活動ができない。

また、留学経験者のコミュニティは少なく、就職活動について一定のノウハウが共有されていないので、困っている学生が多い。

筆者ももし学部生に戻れるなら、もっと別の行動を取っていた。ただ、下に紹介する方法は一つの参考例であり、人それぞれに合わせた色々なスタイルがある。

東京キャリアフォーラムの各企業のブースの様子

本記事では日本と海外で就職活動する場合、どちらも考慮して書く。

英語力やグローバルな経験を活かして、また比較的経験がなくても将来性で採用してくれる日本で就職活動を有利に進めるのも有りだろう。

一方で、外国人になるので海外で採用を獲得するのは難しいが一般的に給料・福利厚生も良いし、職場は責任範囲のある分、やりがいがあると言われている。

筆者が卒業した時の就職活動

経済学・商学の学位、2年間の留学経験、TOEFL 100以上・TOEIC 950以上、一般的な数学とITの知識を持った状態だった。

筆者はキャリア志向を持っていなかった。(学部1年生の頃はあった)*1

沢山の人気企業を応募することはせず、仕事内容と会社を細かく調べて、本当に興味のある求人だけに応募した。

某大手スマートフォンITメディア企業 1回のオンライン面接と対面面接があった。対面の面接はその会社が契約している外資系コンサルタントと日本語と英語の面接でビジネス、経済、グローバルの知識についてだった。内定を受けた。
ベンチャー系のデータサイエンス企業 2回とも直面接で採用された。統計を勉強していたので、将来性を評価された。内定を受けた。
マカオの会社 あまり詳しく書けないがマカオに滞在する富裕層が顧客のビジネスだった。内定を受けた。
語学学校のエージェント 1回面接を受けて内定を受けた。ただ、せっかく経済学を海外で勉強したのだから、それを別の会社で活かした方が良いと担当者に言われた。
某有名アパレル企業  海外マーケティング顧問と知り合い、コミュニケーション能力を評価してもらい、入社の誘いを受けた。

その他、2つほど内定を受けた。不合格だったのは1つか2つだったと記憶している。合計で10社も受けていない。

最終的に、上記のうちで一番早く内定を出してくれた会社に就職することを決め、他は辞退した。

就職活動時、ビジネススーツは着ていなかったが、落ち着いた感じの服装は着ていた。

*1:欧州で友人が古都の街で宿泊施設を経営していて、彼の結婚式に参加した。外国人の観光を手助けし、街に貢献していることを家族や親戚から誇りに思われ、立派に祝福されている友人を見た。それから自分は本当に働きたい仕事、ポジティブなこと、貢献できる仕事に就こうと思った。


筆者は海外で正社員として働いたことはない。カナダにいた時にアルバイト経験と就職活動の経験があるくらいである。

海外の就職活動に役立つ知識を当時は持っておらず、カナダで実際に就職活動を始めた時には既にかなり出遅れていた。

そのため、自分と同じように海外で就職活動をすることに興味がある人のために本記事を書いているが、筆者の海外の就職活動における知識・経験は限定されている。

じっくりと探し、本当に情熱を注げる仕事に就く

じっくりと時間をかけて就職活動をすることは自分の人生をそれだけに捧げることを促しているように感じるかもしれない。

しかし、むしろ逆であり、良い人生のための就職活動をして欲しいと思っている。

3年生や4年生になって短期決戦で就職活動を始めると、知識が不足していてどういった業界で働きたいか分からなくなる。また、アピール材料不足、ネットワーク不足であれば選考で不利に陥るかもしれない。

そして就職活動での人間関係もビジネスライクだけになり、働くことに魅力を感じることが難しく感じるだろう。

長期的にコツコツと準備する中で自分が本当に働きたい企業をじっくりと探し、自分と仕事の価値観が合う人に出会うことを楽しもう。

お勧め1:大学1年生の時から履歴書(Resume)を作る

既に大学生であり、現時点で書いたことがない、書こうとしても思い浮かばない場合、まずは『自分がその状態にあること』を認識することが大切である。

今の時点で書けない場合、そのままでは就職活動時になっても中々書けない可能性が高い。

他人にアピールできる履歴書を作るために、普段からコツコツとアピール内容を思い出す度に書き留めておき、またそれを意識して客観的かつ分かりやすい活動実績を地道に積み重ねておく。

かくいう自分も大学3年生で留学生経験者向けのキャリアフォーラムに出る時に、初めてこの重要性に気が付いた。

一応、留学経験、成績、ディベート大会の戦績など、書くことはあったが、1年生時から意識的にしていれば良かった。

北米の学生はそもそも大学進学の準備で書類選考、面接対策は慣れており、その親の世代も同じなのでそういうことを準備する習慣・意識づけはできている。

どういうアピールを意識すると良いのか?

基本的に『優秀』であり、『独自性』のある人材を企業は求めていると考える良い。

『優秀さ』とは、理解力、処理力、暗記力、外国語運用能力、分析能力、表現力などである。

『独自性』とは、興味・好奇心、経験、考え方、行動力、目標や計画性、実績、出自など、他の人とは違った属性である。

商品を開発・販売するとき、『ある特定の市場』『非常に競争力のある』ことを目指すことはマーケィングでよく言われる。

労働市場も同じで、労働者としていかに自分が一定の分野で、活躍できるかをアピールすることである。

実際に、違う人種、違う文化、違う歴史、違う教育、違う生活で人生を過ごしてきた多様な人材をアクセンチュアやグーグルなどの世界的な企業も重用している。

英語のResumeと日本語の履歴書の両方を用意

英語で履歴書をResumeと言う。海外の企業も受ける可能性があるなら、英語と日本語の履歴書を両方用意する方が良い。

書き方や視点が違うので、両方書くとブレインストーミングが捗る。(レジュメは日本の履歴書に比べると書式の決まりごとが少なく、アピール方法は英語の履歴書の方が考えさせられる。)

参考のために自分のカナダの母校のStudent ServicesのHPで公開しているレジュメに関する講義と、サンプルのレジュメを見て欲しい。

学生のサンプル・レジュメ

Resumeを1ページか2ページの長さにするかという論争があるが、余程の実績がない限り1ページにまとめておくのが無難だろう。

欧米式の良いレジュメの根本的なコンセプトや原則的の理解、作成の細かい技術はResume: The Winning Resume を読むと良い。理論的でもあり、実践的でもある。

添削は外国人の友人やFiverrで添削の経験者に格安で依頼すると良いだろう。

カバー・レターは具体的に応募する段階で用意する

カバー・レター(Cover Letter)とは挨拶状、自己推薦状、動機書を一つにしたような文章のことである。欧米ではResumeとCover Letterをセットで送ることが一般的である。

良いカバー ・レターの書き方については引き続き、Resume: The Winning Resumeを参考にすると良い。

私の場合、テンプレートを当てはめるのではなく、採用者の心に届くように具体的かつ的を得るような内容を書くことを心がけた。

先ほどの、『優秀』『独自性』をできるだけカバー・レターでも出すようにした。

そのため、会社のHPや巷の評判サイトから製品に調べたり、社長や幹部のインタビュー記事、会社のTwitterやYou Tubeなどにも目を通すようにしていた。

LinkedInのアカウントを作成して充実させておく

LinkedInは欧米の就職活動の主要なSNSであるのアカウントを作成して充実させておくと良い。年を増すごとに就職活動のSNS利用が活発化しており、この傾向はしばらく変わらないと思われる。

お勧め2:ビジネス・ネットワークを作る

“It’s not what you know. It’s who you know.”

何を知っているかではなく、誰を知っているかだ。

ビジネスにおける繋がりをビジネス・ネットワークまたはプロフェッショナル・ネットワークと言う。ネットワークを広げることに取り組むことをネットワーキング活動と言う。

日本でも役に立つし、欧米では特に大事になる。ある調査では80%以上の求人が

  • 日本であれば『学歴』+『新卒』+『将来性』が重要な選考基準と言える。
  • 欧米は『学歴』+『ネットワーク』+『経験・実績』が重要な選考基準と言える。

自分が応募する会社の関係者と知り合いになれば、”紹介者”(Referral)として先ほど述べたカバー・レターに名前を載せても良いか、依頼する。

もし、承諾を得られれば非常に強力なCover Letterになる。選考に通る可能性はかなり高くなる。(詳しくはここを参考にして欲しい。)

ネットワーキング活動は窓口は色々と考えられる。できる限り公式なイベントよりもアットホームな感じのイベントの方が企業の人に話しかけやすい。

  • Facebook、LinkedIn、Dot.などからイベントを探して参加する
  • 興味のある業界や企業のHPなどからイベントを探して参加する
  • キャリアフォーラムに参加して担当者に話しかける
  • 大学の実施するキャリアフェアなどに参加する
  • インターン系のイベントに参加する
  • ボランティア行事に参加する
  • 部活・サークルのOB・OGから話を聞く

学生用の名刺を作っておこう

現在はオンラインで1枚5円くらいで作成できる格安のネット印刷業者が多くある。(例)ラクスル

基本的には個性を主張し過ぎないデザインで、表面に日本語、裏面に英語の紹介があると良いだろう。

ネットワーキングで会社の担当者と話す時、機会があれば名刺交換をしよう。

それをしたという事実が相手とのネットワーキングの一部であるし、相手の印象にも残りやすい。

会話内容

自然な形で知り合いになり、自然な会話を心がけるのが良いと言われている。

①導入部分

  • 簡単な自己紹介(大学、学部、研究、ゼミ、趣味など)をする
  • その場の雰囲気についてアドリブで話す (イベントの雰囲気、天気など)

②自分について話す

  • 自分がどういった仕事に興味があるか伝える
  • (事前に調べる機会があれば)相手の会社の製品・サービスにどう興味があるか伝える
  • 長期的な自分の目標や計画

③相手について聞いてみる

  • ビジネス内容について聞く
  • 業務内容について聞く
  • 顧客について聞く
  • 技術について聞く

④ネットワークを広げる

  • 名刺を交換する

その他の参考)30 Brilliant Networking Conversation Starters

以上、正規・交換留学をした学生にとってお勧めの就職活動の前編だった。

後日、後編の記事で残り3つのお勧めを説明する。

 

See you soon!