アメリカでTOEFL®︎を不正受験して受験生が逮捕。気をつけよう!

2017/05/25

TOEFL iBT®テストとは英語を母国語としない人々の英語コミュニケーション能力を測るテストとして、米国のETSにより開発された英語能力測定テストである。

2020年の大学入試改革における英語4技能試験の活用で、TOEFL®︎やIELTSなどの受験が大幅に増える可能性がある。

そして、圧倒的な試験の難しさと試験をあまり知らない受験生が増えることから、試験の不正行為の試みなどが今後日本でも増えるかもしれない。

しかし、それは絶対に止めた方が良いだろう、特にアメリカ合衆国内では。

アメリカでTOEFL®︎を不正受験して逮捕。

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最近、米国で4人の中国人がTOEFL iBT®︎テストで替え玉受験の不正を行ったとして逮捕された。

<各記事の要約>

2017年5月5日、米国で中国国籍の4人がTOEFL iBTテストで不正を行ったとして逮捕された。4人のうちの1人が他の3人に代わってTOEFL iBTテストを受験して7,000米ドル(約77万円)を受け取った。

3人はそのスコアを利用して名門校であるアリゾナ州立大学、ノースイースタン大学、ペンシルベニア州立大学にそれぞれ合格した。そして、アメリカへの学生ビザを取得することができた。

共謀罪は5年以下の懲役、3年以下の保護観察、そして250,000米ドル(約2,780万円)以下の罰金を処される可能性がある。

ちなみに、逮捕された例は本件が初ではない。2015年にはTOEFL iBT®︎テスト、アメリカの大学入学時に考慮するテストのSAT®︎テスト、大学院入学時に考慮するテストのGRE®︎テストで15人の中国人が共謀して不正行為を働いたとして逮捕されている。

いわゆる替え玉受験である。

うーん、米国での不正とはいえ、こんなに刑罰が厳しいとはTOEFL歴10年の筆者も知らなかった。みなさん、気をつけよう。変な気を起こすと大変なことになる。

過去のTOEFLテストの受験不正のまとめ

実は2010年以降 、TOEFLテスト受験に関してはいくつかの変化があった。

  • TOEFLを受験する時、金属探知機で検査されるようになった
  • 英国のビザ申請にはTOEFLのスコアは不可であり、IELTSのスコアが必要

このような変化には実はETSが試験作成、実施、運営をしているTOEFL®︎、TOEIC®︎、SAT®︎の不正が関係していたようである。

Student visa system fraud exposed in BBC investigation (2014年)

BBCのパノラマが学生ビザの不正を潜入取材で発見した。

移民コンサルティング会社が全く英語を話せない生徒の学生ビザの取得のために、TOEICを替え玉受験を工作した。また、別の週に受けた試験では替え玉ではなく、試験監督者が解答を読み上げた。

For the First Time, SAT Test Gets Canceled in an Entire Country (2013)

韓国でSAT®︎の試験が中止された。SAT®︎テストが国単位で中止されたのは史上初だった。いくつかのテストセンターで事前に試験問題が不正に流通していたことが判明したからである。また、それ以前の2007年にも同様の不正があり、TOEFLの受験も一時的に不可になった。

TOEFL iBTの不正行為は人生の選択肢を大幅に狭める?

不正行為は見つかる可能性が高いし、それで一生テストを受けられないとなればTOEFLテストの結果を活用する入試に合格することが不可能になる。下手したら大学に合格することが不可能になり、人生で大きな足枷を背負う。

さらに不正行為の地がアメリカ合衆国だった場合、5年以下の懲役、罰金2780万円以下、国外追放の危機に陥る。

決して、不正行為をしないように気をつけよう。真面目に勉強して正当に入学できれば、大学のレベルにきちんとついていける。

以上、TOEFL iBT®︎テストの不正受験についてだった。