重要なTOEFL iBTのスピーキング採点基準

2017/05/22

まず、TOEFL iBTのスピーキングの採点基準について説明する。

簡単に言えば『話す内容は何でも良いので、とにかくネイティブが十分に内容を理解できる。』ことを目指す。

『十分に』とはネイティブが推測などをしなくても聞いた内容をそのまま理解でき、かつ詳細に・具体的に話が広がっていくイメージである。試験ではあえて高度な英語を意識して使う必要もない。

TOEFL iBTのスピーキング採点基準

6つの課題が 0~4で評点され(素点)、その合計が 0~30 のスコアに変換される。何も言わない、または関係ないことを答えることを除けば、1以上の素点を必ず取れる。(スコアは8) (参照

TOEFL iBTのスピーキングは3つの採点基準がある。

  • Topic Development 
  • Language Use
  • Delivery

である。(参考: Speaking_Rubrics)

Topic Developmentとは話の展開を意味する。Independent Taskではお題に対する応答はしっかりサポートされていて、首尾一貫して発展していることを要求される。Integrated Taskでは読み・聞きした話の展開を明確に示し、また関連情報も具体的に説明していることを要求される。

Deliveryとは発音やイントネーション、抑揚を意味する。

Language Useでは正しい文法や語彙・熟語といった表現力が求められる。

以上の3つのポイントを高いレベルで満たしていると素点で4が取れる。どれかが十分でないとその分だけ素点が下がると考える。

採点はAnalytical(分析的)ではなく、Holistic(全体的)な評価なので、ポイントを1つ満たすごとに素点が1点上がる訳ではないが、近いものはあるだろう。

個人的にはTopic Development > Language Use、Deliveryと感じている。
(つまり、言語の問題より、論理的な思考発展力の方が重要)

理由として

  • 具体的で論理的にトピックを発展できれば、それに必要な言葉や文法はついてくるし、もごもごせずに明瞭に話せる。
  • Speakingの目的としてTopicをしっかり展開し、説明できることが重要であり、それを遂行するためのLanguage UseとDeliveryと考える

Topic Developmentとは一本の道を止まらず、脱線せず、滑らかに真っ直ぐ突き進む感覚である

お題に対して発展的かつ首尾一貫した内容を例えるなら、一本の道を止まらず、脱線せず、滑らかに真っ直ぐ突き進む感覚である。下図の①

Slide1

逆に、何をすべきではないかを説明する。

無関係なことを話す  (図の②)

お題とは全く関係ないことを話しても、点数にはならない。お題に関して回答しなければならない。

話の脱線(図の③)

徐々にお題とは関係のない話をし始める回答もよくない。

例えば、「良い教師になるために重要な素質は何か?」と尋ねられ、「論理力」と答えた後にひたすら論理とは何かについて語ること。

この場合、なぜ論理力が良い教師になるために重要な素質なのかについて説明するのがお題に沿っている。

同じ話の繰り返し(図の④)

同じまたは類似した主張や説明を繰り返し、話が進展しないことである。

例えば、

「私は図書が好きだから図書館によく行く。」、

「その日、図書館に行ったのは本が好きだから。」

と言った類似した説明を繰り返すことである。

羅列・並列(図の⑤)

話を進めることなく理由や例を何個も列挙する。

例えば、「何の果物が好きか? 理由や例を含めて説明せよ。」という質問で、

「私はいちごが好き。バナナも好き。洋梨も好き。今年に入ってスイカも好きになった。」

のように何個も例を挙げることである。

以上の4つをしないように気を付けなければならない。

表現力って何?

簡単に言えば伝えたい内容を伝えるフレーズを知っているか?ということである。 例えば、友人に何か改まってお願いをしたい時は、 “May I ask a favor of you?” という表現を知っていれば便利である。

このように、伝えたい内容を伝えられるフレーズを知っていることは当たり前だが、重要である。 より多くのフレーズを知ることは、スピーキングの上達に繋がる。

伝えたいフレーズを知っていて、発音が正しくできても、即座に答えられないと会話は成り立たない。一般的な会話で言うと、相手はあなたの短い話の内容を長時間に渡って聞くのは億劫だろうし、TOEFL iBTにおいては解答時間は45~60秒しかない。

考えるまでもなく、自然と答える瞬発力を身につける必要がある。サッカーで言うならばリフティングである。リフティングは考えながら体を動かしていては間に合わない。自然と体がボールに反応できるようになる瞬発力が大切である。

発音について

日本語だけを話していれば発音の重要性には気づきにくいが、外国語を話す上で発音は大事である。 英語の発音の練習をせずに、日本語読みで英単語を言えば英語圏の人たちに理解されないことが多い。

一方で、欧米圏、ロシア圏の人たちは初めてでも日本語の単語をある程度上手く言えることがある。 なぜなら、一般的に言って、英語やロシア語は日本語よりも発音が難しいからである。

英語やロシア語などはVやBなどの細かい音の違いを区別する。(色で例えると、緑と黄緑の違い。) 従って、正しい発音をできるようになることはスピーキングの上達に重要である。